前回の記事でダイエットの基本的なことを書きました。
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今回はまず、低脂質ダイエット(ローファットダイエット)について解説します。
低脂質ダイエットとは何か
低脂質ダイエットとは、その名の通り脂質の摂取量を抑え、総摂取カロリーをコントロールするダイエット方法です。
糖質制限やケトジェニックと比べると地味に見えるかもしれませんが、実は多くの人にとって再現性が高く、継続しやすい方法でもあります。
ただし、「揚げ物を避ける」「脂っこいものを食べない」といった表面的な理解だけでは、思ったように結果が出ないこともあります。
低脂質ダイエットを正しく使うためには、脂質の役割・糖質との関係・身体への影響をある程度整理しておく必要があります。
脂質は悪者ではありません
まず前提として、脂質は決して「不要な栄養素」ではありません。
ホルモンの材料になり、細胞膜を作り、脂溶性ビタミンの吸収にも関与します。
つまり、脂質を完全にカットすることは健康面でも現実的ではありません。
いくら削ったとしても、最低30g、なおかつ体重×0.5gくらいは最低摂取したいところです。
問題になるのは、「気づかないうちに過剰摂取しやすい」という点です。
脂質は、
- 1gあたり9kcalと高カロリー
- 調理油、加工食品、外食に多く含まれやすい
- 満腹感よりもカロリーが先に積み上がりやすい
そのため、同じ満足感でも脂質が多い食事は簡単にカロリーオーバーを引き起こします。
これは実際に食べているもののを記録して、その栄養バランスとカロリーを見ていくと、最初の頃は割と愕然とします。
自分で食事を記録し始めたとき、
「え、これでこんなに?」と正直引きました。
低脂質ダイエットは、この「コントロールしづらい脂質」を意図的に抑えることで、カロリー管理をシンプルにする戦略とも言えます。
低脂質ダイエットの基本構造
低脂質ダイエットは、PFCバランス(タンパク質をP、脂質をF、炭水化物(糖質)をC)で考えると次のような設計になります。
- タンパク質:しっかり確保
- 脂質:必要最低限に抑える
- 糖質:残りのカロリーを充てる
具体的な数値としては
- タンパク質:体重の2倍(体重70kgなら140g)
- 脂質:体重の0.5倍か30gの多いほう(体重70kgなら35g)
- 糖質:残りのカロリー
という順番で摂取カロリーを決めていきます。
で、残りのという限りは設定する摂取カロリーはどのくらいか?ということですが、
これはさまざまな計算方法があります。
例えば肥満外来で重度の肥満症の患者さんに指示されるのは、
適正体重×20~25kcalです。
これ、計算してみればわかるのですが、とてつもなく低カロリーな食事です。
通常、ここまで摂取カロリーを減らすと基礎代謝を割り込んでしまうため、
とても健康に悪い、となるのですが、重度の肥満、となると
その体重でいることの方がリスクが高い、ということなのでしょう。
しかし、医師の管理がないのであれば
そのような極端なカロリー制限はお勧めしません。逆に体壊します。
計算しやすいカロリーとしては、除脂肪体重×30~35kcalです。
仮に体重80kg、体脂肪率25%の人がいたとして、
その人の除脂肪体重(体脂肪を除いた体重)は60kg。
60に30kcalを掛ければ1800kcal、35を掛ければ2100kcalになります。
その後、上記の計算式に当てはめて栄養成分を決めていきます。
- タンパク質:80×2で160g 4kcalをかけて640kcal
- 脂質:80×0.5で40g 9kcalをかけて360kcal
- 糖質:糖質は4kcalなので1800kcalの場合は200g、2100kcalの場合は275g
と、順番に割り出していきます。
※脂質はホルモンや体調維持のために最低ラインが必要なので、
「体重×0.5g」と「30g」を比べて多いほうを下限にします。

でも・・・計算ややこしい
「とっつきにくい」と思ったそこのあなた。
無理しなくていいです。いきなり計算することが性分に合う人と合わない人がいます。
また、計算は食材の栄養も、慣れてくれば大体わかってくるんですけど
慣れるまでには時間もかかります。
そういう方には、まず
- 和食を中心にする
- 揚げ物を避ける
- 脂身の多い肉から鶏肉や魚、赤身肉にする
- 食物繊維の多い食べ物を増やす
ことから始めてみてください。
例えば外食の場合、
唐揚げ定食から焼き魚定食に変えるだけでも
相当なカロリーを削減できます。
昔ながらのダイエットの定番、
油物を避けるという食生活にするだけで、
相当な変化があると思います。
まずはそこから始めていきましょう。
糖質に関する注意事項
ここで重要なのは、脂質を控えれば無制限に甘いものを食べていいわけではありません。
むしろ、
- 白米
- 芋類
- 果物
- 穀類
といった消化・吸収が読みやすい糖質源であり(これを多糖類と言います)、
これを中心に使うことで、トレーニングの出力維持や日常の活動量を落とさずに減量を進めやすくなります。
逆に砂糖やブドウ糖果糖液糖のような単糖類は吸収も早く満足感もあまりなく、
多量摂取になりやすく、血糖値を爆上げしますのでなるべく避けるようにします。
低脂質ダイエットが向いている人
低脂質ダイエットは、特に以下のような人と相性が良いです。
- ご飯や麺類が好きで、完全に抜くのがストレスになる人
- トレーニングや運動のパフォーマンスを落としたくない人
- 生活リズムが不規則で、血糖値が下がりすぎると辛い人
- 外食や会食がゼロにはできない人
糖質をある程度残せるため、「頭が回らない」「力が出ない」「ふらつく」といった症状が出にくいのも特徴です。
一方で、脂質が極端に多い食生活に慣れている場合は、最初は物足りなさを感じるかもしれません。
低脂質ダイエットでよくある失敗
低脂質ダイエットでありがちな失敗も押さえておきます。
① タンパク質が不足
脂質を減らすことに意識が向きすぎて、結果的に食事量が減り、タンパク質まで削れてしまうケースがあります。
筋肉量の維持を考えるなら、これは本末転倒です。
② 脂質をゼロに近づけてしまう
脂質を恐れすぎて、ホルモンバランスや体調を崩す人もいます。
「少なくする」と「無くす」は別物です。
③ 加工食品に頼りすぎる
脂質が低くても、砂糖や添加物が多い食品ばかりになると、空腹感が強くなり、結果的に継続できなくなることがあります。
低脂質ダイエットは「手段」です
最後に強調しておきたいのは、低脂質ダイエットは万能ではないということです。
体調、生活リズム、運動量、年齢、ストレス状況によって、糖質制限の方が合う局面もあれば、ケトジェニックがハマる局面もあります。
重要なのは、「今の自分にとって、どの方法が最も継続しやすいか」を基準に選ぶことです。
低脂質ダイエットは、再現性が高く、調整もしやすい“ベース戦略”として、とても扱いやすい選択肢です。
ここから先は、具体的なPFC設計、食材選び、トレーニング日と休養日の使い分けなど、いくらでも細かく設計していけます。


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